OpenVINOの環境変数

ソフトウェア

 

WindowsでOpenVINOを動かすには、cmd.exeで指定のbatを実行し、そのcmd.exeからOpenVINOを動かすプログラムを実行する必要があります。

 

今回は、このbatファイルを実行せずにOpenVINOを動かせるようにする環境変数を紹介します。

 

※kerasで作成した学習済みモデルをOpenVINOに変換する方法を以下にまとめています。

https://nori-life-log.com/tensorflowの学習済みモデルをopenvinoに変換する

 

OpenVINOを動かすbatファイル

 

公式HPで紹介されていますが、OpenVINOを動かすにはcmd.exeで

C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\bin\setupvars.bat

を実行し、そのcmd.exeからOpenVINOを動かすプログラムを実行する必要があります。

 

Linuxの場合、bashrcでこのbatを実行すればその後は自由にOpenVINOが使えるのですが、Windowsの場合はこのbatを実行したcmd.exeからしかOpenVINOを使えません。

 

詳細は以下に記載されています。

https://docs.openvinotoolkit.org/latest/_docs_install_guides_installing_openvino_windows.html#set-the-environment-variables

 

Windowsで永続的にOpenVINOを使うためには

 

先ほど紹介したHPに、

OpenVINO toolkit environment variables are removed when you close the Command Prompt window. As an option, you can permanently set the environment variables manually.

と記載があります。

 

これをGoogleに翻訳させると、

コマンドプロンプトウィンドウを閉じると、OpenVINOツールキットの環境変数が削除されます。 オプションとして、環境変数を手動で永続的に設定できます。

つまり、batファイルは一時的な環境変数を設定しており、cmd.exeを閉じると環境変数も無効になってしまうのです。

永続的に環境変数を設定するには、手動で設定しろとのことです。

Windowsユーザに対してフレンドリーではないですね。。。

 

OpenVINOを永続化する環境変数

 

私はbatファイルを使わずにOpenVINOを使う必要があったので、環境変数を調べました。

紹介します。

 

※ちなみに、batファイルを使わずにOpenVINOを使うケースとは、ApacheなどのWebサービスの上でOpenVINOを使うPythonプログラム(Flask)を動かすケースです。

batファイルを実行した上でPythonプログラムを起動できれば良かったのですが、Apacheの設定がどうしても上手くまくいかず断念しました。。。

 

まず、システム環境変数に以下を指定する必要があります。

変数
HDDL_INSTALL_DIR C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\deployment_tools\inference_engine\external\hddl
InferenceEngine_DIR C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\deployment_tools\inference_engine\share
INTEL_CVSDK_DIR C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino
INTEL_OPENVINO_DIR C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino
OpenCV_DIR C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\opencv\cmake
OPENVX_FOLDER C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\openvx
PYTHONPATH C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\python\python3.6;C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\python\python3

そして、システム環境変数のPathに以下を追加する必要があります。

C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\deployment_tools\inference_engine\bin\intel64\Release
C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\deployment_tools\inference_engine\bin\intel64\Debug
C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino\deployment_tools\inference_engine\external\hddl\bin

 

※上記はOpenVINOのインストール先をデフォルトのままにした場合の設定です。

 

まとめ

 

OpenVINOをWindowsで永続的に動作させるための環境変数を紹介しました。

 

AIを用いた推論を高速で実行できるOpenVINO。

実行する前にbatファイルを実行させる点からして、まだまだ未成熟な感はありますが、使いこなせればより良いシステムを開発できるので、さらなる改良を期待します!

 

以上!

 

コメント